子どもを持つ親として、我が子の成長は気になりますよね。
赤ちゃん~幼児期までは個人差の大きい時期ですが、やはり周りの子と比べがちになります。
赤ちゃんのときは体の大きさなど身体的成長を気にしがちですが、1歳も近づく頃になると、「心の発達」も気になるところです。
ここでは、アメリカの保育園で0歳児クラスの保育士をしていた私が、1歳を目安にできるようになることについて説明します。
こんな人に読んでほしい
- 我が子の発達目安を知りたい人
- 保育園1歳児クラスに入れる予定で、そのための子どものリズムを家庭でも取り入れたい人
Contents
アメリカの保育園~クラスわけ~
まず初めに、アメリカの保育園のクラス分けについて説明しておきます。
なぜなら、日本の4月2日生まれ~翌年4月1日生まれというクラスの分け方とは違うからです。
アメリカの保育園では、0歳児は0歳児クラス、1歳児クラスに移るタイミングは生後11ヶ月頃~18ヶ月を目安に、個々の発達具合で決まります。
1歳児クラスから2歳児クラス、その後のクラスへの移行も、それぞれの誕生日あたりで個々の発達段階を考慮して、先生と保護者の間で決定されます。
ですから、0歳児クラスでは1歳が近づく頃になると、1歳児クラスへ子どもを移行させるため、1歳児クラスで必要なリズムや力をつけていけるよう補助します。
1歳児クラスへ移行するための条件
1.一人歩きができる
まず最初に必要になってくる項目が一人歩きです。
0歳児クラスでは素足で過ごせる環境であり、寝たりハイハイをするよう環境が整えられていますが、1歳児クラスからは靴で過ごします。
床も汚いですから、歩けるということは必須です。
1歳児クラスからは外遊びも午前・午後で十分な時間をとるので、やはりそこでも十分に歩行できることは怪我を防ぐ観点からみても重要視されます。
一人歩きの時期には個人差もあるので、0歳児クラスから1歳児クラスへの移行期間が生後11ヶ月~生後18ヶ月くらいを目安に長くとられていることは納得できます。
2.お昼寝のリズム
赤ちゃんのリズムに合わせてお昼寝時間をとる0歳児クラスとは違い、1歳児クラス以降はお昼寝の時間が決まっています。
12時~14時半までをお昼寝の時間としています。
1歳が近づく頃からは、赤ちゃんの午前のお昼寝時間をだんだんと短くしていき、昼食後に寝るようリズムを整えていきます。
始めのうちは、昼食時には眠たくなってしまう子が多いので、園での給食時間は11時半からとなっていますが、11時くらいには食事を用意してもらい、早めに食べさせられるようにしています。
また、お昼寝途中に早く目が覚めてしまう子もいますが、「トントン」したり、できるだけお昼寝の時間の間は静かに過ごせるように教えていきます。
3.食事のリズム
食事のリズムも大切になってきます。
園での食事は、朝食8:30~9:00、昼食11:30~12:00、おやつ14:30~15:00、17:30、と決まっています。
1歳児クラスからはこの決まった時間での食事となるので、お昼寝と同様、食事のリズムも整えていきます。
0歳児はまだミルクを飲んでいる子たちですから、1歳児クラスに向けて、日中の「哺乳瓶からミルクを飲む」という習慣もなくしていきます。
ご飯がしっかり食べれるようになってくると、自然とミルクは欲しがらなくなってきますが、特に夕方にかけてグズグズするときはミルクを欲しがっていることが多いです。
楽しい活動を提案したり、外遊びに連れて行ったりと、赤ちゃんの気がまぎれるような活動をしますが、赤ちゃんに寄り添うことも大事です。
「哺乳瓶からミルク」を飲まないようにするのは、歯並びにも関係するので、生後13ヶ月までを目安に、徐々に慣らしていきます。
4.食事内容
0歳児クラスでは baby food (離乳食) を提供しますが、1歳児クラスからは table food といい、大人が食べるものと同じものを年齢に応じた大きさに切り、提供します。
生後8ヶ月以降、保護者と話し合いながら baby food から table food に移行していきます。
1歳ではほとんどの子が baby food から table food に移行しています。
離乳食から幼児食までと食事内容に気を使う日本の食事事情とは少し違いますが、ある程度硬いものでも自分でしっかり噛んで食べることができるという段階は日本でも当てはまるのではないでしょうか。
5.おしゃぶりの卒業
哺乳瓶同様、おしゃぶりも生後13ヶ月までを目安に使わないようにしていきます。
ほとんどの子は1歳くらいでは自然と必要なくなってきます。
お昼寝時に必要とする子もいますが、これもお昼寝のリズムを1日1回に整える段階で、昼食後は眠くなっているので、おしゃぶりなしで寝れるようになります。
6.食事を座って食べられる / スプーンやフォーク、コップで自分で食べようとする
1歳を目安に、食事中は動かず座って食べることができるよう、促していきます。
スプーン、フォーク、コップの使い方も手を取りながら練習します。
まだまだ手づかみ食べの時期なので、できるようにならなくても心配はいりませんが、教えるとちゃんと自分で食べようとするので、そこはしっかり教えていきたいところです。
以上の6点が0歳児クラスから1歳児クラスへ移行するための条件として先生たちが見ているポイントになります。
もうすぐ1歳 こんなことができる
上述したポイント以外に、保育士目線でたくさんの子どもたちをみて感じる成長は次のようなものがあります。
1.先生と遊ぶ/先生の指示がわかってくる
1歳ごろになると、先生との遊びややり取りを楽しむようになってきます。
大人の反応をうかがいながら遊んだり、「ダメ」もわかってきます。
いつも使っている簡単な指示がわかるようになってきます。
例えば、本を読むときに集まること、座ることなどです。
2.他の子と遊ぶ
この時期は他の子と遊ぶといっても、何かを一緒にするわけではありません。
しかし、他の子の様子をよく見ていますし、隣に行って同じようなことをして楽しむこともあります。
3.言葉の発達
大人の言葉が少しずつ理解できるようになるとともに、簡単な意味のある言葉を発するようになります。
まだはっきりしないので、見知らぬ人には理解しがたいですが、毎日一緒にいる大人にはわかるようになってきます。
シャボン玉をみて「bubble」と言ったり、「thank you」と言えたりします。
また、ベイビーサインを教えている子は、ベイビーサインで意思を表せるようになってきます。
ベイビーサインとは、言葉が話せない赤ちゃんが手を使ってコミュニケーションをとる方法です。
まとめ
1歳児発達目安
- 一人歩きができる
- お昼寝のリズムができる
- 食事のリズムができる
- 幼児食へ移行
- おしゃぶりの卒業
- 手づかみ食べからスプーン等を使えるよう導入
- 大人のいことがわかってくる
- 他の子との関わり
- ことばの発達
保育士目線からの1歳児の発達、こんなことができるようになるポイントを説明しました。
とはいっても、この時期の発育発達には大きな個人差があるので、あまり周りと比べず、子どもの成長を一緒に喜んでいきましょうね。