この記事では、感染症を防ぐために日ごろからアメリカの保育園で行っている対策について説明します。
今回は【ゴム手袋】【お昼寝】【手洗い】についてです。
【コロナ対策】【除菌】については 「保育園での感染症対策①」を参照ください。
この記事を読むとわかること
- 保育者のゴム手袋使用方法
- 感染症拡大を防ぐお昼寝の工夫
- 手洗いを習慣づけるための取り組み
- 手洗いが楽しくなる方法
Contents
ゴム手袋の使用
アメリカの保育園では、先生は子どもに触れる時、ゴム手袋を使用します。
これは病気や感染症から子どもも先生も守るためです。
以下の場面でゴム手袋を使用します。
① おむつ替え
おむつ替えでは、ゴム手袋をつけて替えるよ。
おむつかぶれ予防のクリームを塗るときは、おむつを替えた時に使用した手袋を新しいものに交換します。
いつも手袋をつけておむつを替えていたので、第3子出産後、自分の子どものおむつを替える時、手袋をしないことに違和感がありました。
② 食事の準備 (0歳児クラスでは食事を与える時)
③ ミルクの準備
④ 母乳の準備 また 母乳を与える時
母乳は体液ですので、取り扱いには注意します。
飲み残した母乳も、流しには捨てず、持ち返すように保護者と話をしています。
⑤ 鼻水を拭いたり、傷の手当てをするとき
子どもの鼻水を拭くとき、手袋を徹底したら、子どもから風邪をもらいにくくなった気がします。
⑥ 日焼け止めやワセリン等を塗るとき
⑦ 子どもが口に入れるべきでないものを口に入れてしまったとき
この項目は緊急も要するので、手袋がつけられないときもあります。
外遊びのときに、1歳児くらいだと土やはっぱを口に入れることもあります。
⑧ その他、衛生上注意するできごとがあったとき
手袋をつけても、前後の手洗いはきちんとしています。
お昼寝
お昼寝時も感染症対策をしています。
日本の保育園はみんなで並んで寝ていますよね。
私もアメリカの保育園で働き始めるまでは、それが当たり前のお昼寝の光景でした。
アメリカでは、それぞれが自分専用のコットと呼ばれるお昼寝用ベッドを与えられます。
そこにシーツを敷いて使用します。
シーツは基本的には週に1回洗濯しますが、子どもの体調がすぐれない時、また今回のコロナのように感染症が流行っているときは毎日洗濯します。
そして、寝る場所もみんなバラバラで、部屋のあちこちに子どもたちが寝ています。
寝る場所は子どもの性質によって先生が決めています。
(寝つきが悪い子、早く起きてしまう子、おしゃべりをする子同士は離す 等です)
アメリカのクラスは、子どもの人数のわりにとても広いので、このような配置が可能です。
しかし、一定の距離を保って子どもたちを寝させることができない場合は、子どもの頭と足を交互にして寝させます。
顔と顔が同じ方向に向いていないということです。
こうすることによって、咳などで他人の飛沫を浴びるリスクを下げることができます。
こちらもCHECK
-
【元保育士が教える】アメリカの保育園 日本との違い10選
この記事では、筆者が務めていたアメリカの保育園の様子を説明します。 ※あくまでも筆者が務めていた園での話なので、施設によって違います。 今後、仕事の都合で海外勤務、家族でアメリカに引っ越すかもしれない ...
続きを見る
初めは「なんでみんなばらばらで寝ているの?」
「どうして同じ方向を向いていないの?」
と思いましたが、理由がわかると納得ですね。
手洗いの徹底
日本でも手洗いの仕方は保育園でも指導しますよね。
アメリカでも同じように手洗いの徹底をします。
まず、朝教室に入ったら手洗いです。
外遊びのあと、粘土などで遊んだ後、トイレ後、食事の前後は手洗いのタイミングです。
そして、おむつ替えの後も子どもに手洗いをさせます。
これは、おむつ替えという行為をトイレと結びつけ、2歳以降「トイレに行ったら手を洗う」という行動に結びつけるという理由もあります。
この手洗いは、保育園に通い始めた生後6週間から実施しています。
首が座るころには、先生が抱いて水道で手を洗わせますが、首が座る前でも「手洗い」をしています。
手順は以下の通りです。
① おしりふきで手を拭く
② 紙製のハンドタオルを濡らし、石鹸をつけて手を拭く
③ 濡らした紙製ハンドタオルで手を拭き、乾いた紙製ハンドタオルで手を乾かす
とても手間がかかりますが、手洗いの習慣づけと意識づけのため、赤ちゃんの頃から手洗いの実施をしています。
手洗いの仕方
手洗いの仕方も日本とは違います。
石鹸で手、指の間、爪の中、手首まで洗うというのは日本と同じですが、手洗い後が少し違います。
石鹸を手から流し終わったら、まず紙製のハンドタオルで手を拭きます。
そしてそのハンドタオルをつかって、蛇口をひねり、水をとめます。
(今は子ども用はすべて自動の水栓となっています)
また、手を拭くハンドタオルは全て使い捨てです。
ゴミ箱も全て足で開けるタイプなので、手で触ることはありません。
子どもに教える
適切な手洗いは20秒、すすぎは10秒と言われています。
この手洗いを適切にできるよう教えるために、園では歌を使います。
子どもになじみのある歌の歌詞をかえて手洗いの手順を教えたり、十分な時間の手洗いを促します。
これは家庭でも使えるのでいいですね。
英語を家庭でも取り入れたい方は、英語の歌で手洗いをしてみてはどうでしょうか?
その他 ここが違うよアメリカの保育園
その他、保育園で先生が働き始めるまえに、抗体検査と必要な予防接種も義務付けられています。
また、アメリカではインフルエンザは風邪と扱いが同じです。
インフルエンザシーズンは子どもも先生も熱が下がれば登園するので、園内の半数以上が感染していることも起こります。
(日本のように病院で検査等もしなくていいので、インフルエンザとはわかりませんが、インフルエンザシーズンに次々と発熱する子どもや先生が増えるので、筆者はインフルエンザだと思っています。)
まとめ
以上、アメリカの保育園で実践している感染症対策でした。
ポイント
- 子どもと接するとき、衛生面に関わる場面ではゴム手袋を使用する
- お昼寝は子ども同士の距離をとるか、顔同士が隣にならないように配置する
- 手洗いは赤ちゃんの時から習慣づける
- 手洗いが楽しくなるよう、歌を歌う
子どもから風邪をもらいやすい保護者の方は、ゴム手袋を使用して鼻水を拭いてあげるなど工夫すると、感染予防になるかもしれませんね。
また、手洗いのときに歌を歌うのは親子でも楽しめていいですよ。